私は元千代田区役所職員の新堀氏から初代区長村瀬氏のことを聞いて、ぜひそのご家族にお会いしたいと願っていました。
その願いは、2019年5月に叶い、村瀬清氏のご子息お二人、康氏(写真左)と廣氏(写真右 写真中央はサイト運営者岡村)とお目にかかることができました。
その時、新堀さんから聞いた「村瀬区長がいなかったら今の千鳥ヶ淵にさくらはないんです。NHKのテレビ放送で、千鳥ヶ淵に多くの花見客が訪れている風景を見た村瀬氏が、涙を流して喜んでおられた」という話をしたら、お二人は笑顔で「そうですよ」と答えてくださいました。
村瀬さんご兄弟から父上の人柄を聞いていくにつれ、役所もその頃は小規模で、職員数も少なかったから、新堀さんが村瀬区長と頻繁に話ができる環境だったと想像しました。
そのことを裏づける資料を、村瀬さんからいただきました。
それは、ご長男の廣さんが父上の死後、父上の支援者と共にまとめた小冊子『道』1952(昭和27)です。
この小冊子は、母上が保存していた千代田区の行政関連の新聞記事が多く載っていて、当時の社会が良く理解できる資料です。

千鳥ヶ淵の魅力
コロナ感染が終息をむかえた2023年の春、村瀬廣氏と康氏と共に、千鳥ヶ淵で花見をしました。
彼らは幼い頃の千鳥ヶ淵のボート場での思い出も多く、この景観をどうやって守るのか気になりました。
また、最近の千鳥ヶ淵は、世界に知れ渡っており、インバウンド観光客も増加しているため、この景色は守っていかなくてはいけないものだとも考えました。
そこで、村瀬ご兄弟は、千代田区役所を訪問することにしました。